作成者:不沈空母様
ニコニコユーザーページ:https://www.nicovideo.jp/user/1942311
作成日:2015-06-21 18:00
今回はニコニ立体のあれこれ。ひょっとしてここやTwitterで自分の作品リンクを見て興味を持たれた方もいるのではないかと思い、概要やランタイム投稿の注意点などを。
ニコニ立体トップページ(サムネイルはハメコミ合成ですw)
・ニコ立の概要
ご存知の通り、ニコニ立体(以下ニコ立)はニコニコ動画でおなじみニワンゴが昨年5月に開始した3DCG投稿サービスです。ニコニコのアカウントがあれば閲覧・投稿が可能です。
設立の経緯とかはコチラの中の人のインタビュー記事を参照下さい。 一年前の記事なので現状にそぐわない部分もありますが ここで名称が「ニコニ」である理由も記されていますが、大抵「ニコニコ立体」て誤記されてるよねw 自分のハンドルもよく「浮沈空母」と誤記されますorz
昨年は公式キャラ・ニコニ立体ちゃんのデータ公開や 非公式妹もヨロシクw モデルコンテスト開催などいくつかイベントもありましたが、今年に入ってからは目立った動きもありません。ニコ超会議のVR撮影モデル募集くらいですか。サービス開始一周年もスルーされてたし メンテは頻繁に行われているので決して放置されている訳ではなさそうですが…。
ニコニ立体ちゃん姉妹(縞パン仕様w)
なお同様の3Dモデル投稿サービスは他にもいくつかありますが(3DCGARTSなど)、やはりニコ垢があれば見られるというのは大きなアドバンテージでしょう。さらに埋め込みプレイヤーを使えば垢の無い人にも見てもらう事が可能です。
…ホントはここで実際に埋め込みプレイヤーを貼るつもりだったのですが、何故か編集ではちゃんと入るのに実表示ではうまくいかないので断念しましたorz
ただ、ニコ立のランタイム表示にはUnityが使われているので閲覧にはUnityWebPlayerのインストールが必要ですが、困った事にiOS/Android版が用意されていないのでスマホやタブでは見ることが出来ません。コレホントに何とかして欲しいです…orz
・自分とニコ立
自分はサービス開始当初から過去作のリアルタイム3D(主にSWメカ)や当時のZBrush習作画像などをぽつぽつと投稿していましたが、やはりニコ立と言えば、自分の現在の代表作とも言える二次絵にしか見えないランタイム3部作wでしょう。
特に前者2つは元絵師のかにビームさんご自身 言うまでもなくあの方の別名義です。五歳児はそっちの名義で萌王にも出てたしw がツイッターやニコ生で宣伝して下さった事もあり、普段3DCGに縁遠い方たちにも多数閲覧いただけた様です。ちなみになんで作品の存在がご本人に知れたかと言うと、渋に静止画やうごイラで投稿して元絵にイメレスしたからですw
コンテストも参加しましたが見事に轟沈しましたorz
その後MMDに手を出すと共に、モデルの配布にも利用しております。
・ランタイム投稿の注意点
ニコ立は静止画の投稿も可能ですが、メインはやはりランタイム投稿でしょう。しかしイマイチ投稿手順の説明が不十分なので、いくつか注意点を。
モデル形式はOBJとMQO(メタセコイアのネイティブファイル)の2種に対応していますが、基本MQO形式をオススメします。幸いメタセコはライセンス非適用でもOBJ形式などの入力とMQO形式の保存は可能なので、他の3Dソフトでモデリングしたデータも一度メタセコを通せば互換性(モデルやUVの向き、シェーダーなど)の確認がオフラインでできてトラブルを減らせます。自分はどのみちメタセコでモデリングしてるのでそのままですがw
そして重要な事は、これはニコ立に限らずどこでも同じですが、恐らく多くの人が「テクスチャ画像がうまく適用できない」所で躓いているのではないかと思われます。これは鉄則として、テクスチャ画像ファイルの指定には必ず相対パスを使ってください。絶対パス(ドライブ名から始まる)で指定してしまうと、投稿先でそのパス構成が再現できる訳がないのでテクスチャが適用されなくなってしまいます。ダメ、絶対。なるべくモデルファイル本体と同じフォルダに入れてファイル名のみで指定するのが無難ですが、どうしてもサブフォルダを使いたい場合は、相対パスで正確に指定しましょう。
テクスチャ画像ファイルは必ず相対パスで指定する事
なお見ての通りメタセコでは透明マップやバンプマップも設定可能ですが、これらはニコ立では適用されません。透明マップはテクスチャ画像のアルファチャンネルで設定します。
無事にうpできると設定画面に移り、各種設定をインタラクティブに行います。これらの設定は投稿後もいつでも変更可能です。
ランタイム投稿の設定画面
設定メニュー一覧
設定内容については説明の必要も無いでしょうが、ただひとつ「イメージエフェクト」は独自のポストエフェクトを適用する物で、「ブルーム」(いわゆる二次絵のブラーオーバーレイ効果)、「モーションブラー」(カメラやモーションを動かした際のブラー)、「ヴィネッティング」(拡大レンズの色収差の効果)、「グロー」(発光)の4種があります。自分は二次絵っぽくするためにブルームを弱めにかけてます。
【左上】ブルーム【右上】モーションブラー【左下】ヴィネッティング【右下】グロー
ちなみにMMDモデルの投稿の流れもほぼ同じですが、モーションは標準のもの(Aスタンス/手振り/歩き/走り)かユーザー投稿のモーションを適用します。あとあくまでUnityによるエミュなので、物理演算など必ずしもMMDと一致しないので注意。
何故かミクさんのスカートが突き抜けてしまう罠(MMDでは正常に動作します)
・描画順テクが使えない件
最後に、前回のラストで触れたニコ立で描画順テクが使えない件について。
ニコ立のランタイムビュアーは陰面消去に前回紹介したZバッファ法でなく、ポリゴンのカメラからの距離に基づいて順番に描画していくZソート法を使用している様です。
前々回の記事で誤ってZソート法がZバッファ法の別名の様な記述をしてしまいました。お詫びして訂正します
恐らくその方が描画順問題が起こらないだろうという配慮なのでしょうが、当然描画順テクを活用することは不可能になってしまいます。
例えば、二次絵て定番になっている眉毛が前髪に透けて見えている表現、これを前髪にアルファを適用して再現しても、ニコ立では後ろの輪郭線ポリゴンが見えてしまいうまくいきません。おかげで夏恋さんのツン度合いや五歳児のゲス度が下がってしまったわいorz
【左】描画順テクを使って前髪を輪郭出しつつ透けさせて眉を表示(メタセコ画面)
【中】しかしニコ立表示では距離ソートされてしまい輪郭ポリが後ろに表示されてしまうため眉が見えない
【右】結局透け表現は断念せざるを得ない
ともあれ、MMDや3Dソフトを使わない人にも手軽に3Dモデルをグルグル回して見てもらえる それもモデル配布する事無しにwというのは面白い体験なので、閲覧・投稿共に是非オススメします。
次回は基本に立ち返って、ポリゴンCGにおける「球」の表現について。
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